河内木綿文様の推移
河内木綿文様は、その特徴を、明るくて、大きく、ゆったりとして、力強いと表現されます。
あっけらかんとした、明るい河内人気質を表しているのでありましょう。
現在、一般的には約３００年前の宝永元年（１７０４年）、 大和川の付け替え工事後の河川敷が綿栽培の好適地となってより盛んになりましたが、 この時期の木綿は白木綿が主要であり、 その後、縞木綿の生産など綿作を背景に文様の型絵染が発展したことに注目することが必要です。
時期的には、幕末から、紡績機械が持ち込まれた明治時代末までが、 手織り布を使用した時代であり、その後、 半唐綿と言われる縦糸に機械紡績の糸を使い、横糸を手紡ぎによる糸で織った布に推移しました。
文様も、初めは身近にある菊、草花、縁起ものの鶴亀が中心でしたが、 朝顔の栽培が流行れば文様に取り入れ、 徳川幕府の崩壊によってそれまで使用されていなかった葵が色々な形で文様に加わるとともに、 公家にしか許されていなかった有職文までもが木綿の藍染文様に使用されてゆくという変化を遂げました。
村西徳子氏は、ここに掲げた藍染文様を河内木綿・藍型染の古典として位置づけ大切にしています。
これらの作品は、主に江戸時代後期から明治にかけ藍染されたもので、
村西徳子氏は復元の基本として特に大切にされてきました。
これらの文様は、河内木綿の研究家辻合喜代太郎博士が、 木綿の系譜を明らかにするため、戦後復興間もない河内の旧家を訪ね、
購入・寄贈を受けた「出所の確かなもの」であり、 さらに「制作年代を明らかに」するため、 布１センチメートル角に縦糸、横糸を調べることで年代を明らかにされている貴重なものでした。
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